DAM BLOG
戦前のタイトルホルダー塚原ダム
2013年4月22日
宮崎県は九州の中ではダム王国です。
九州最高峰の一ツ瀬ダムを始め、ダムのスケール・歴史・数、それぞれにおいて見どころがたくさんあります。
その宮崎県の中でも、耳川水系は8基のダムと7つの発電所を擁する九州最大の水力発電地帯です。
その耳川水系の水力発電の中核を担っているのが、この塚原ダムです。
昭和13年竣工ですから、もう80年近く前にできたダムです。
完成当時は日本一のみならず東洋で最も堤高が高いダムだったそうです。
戦前というくくりでは日本で最も堤高が高いダムです。
施工方法も当時の最先端の技術が使われたようで、国の登録有形文化財に指定されています。
40キロ先からロープウェイで砂利を運びダム横のプラントでコンクリートを生成する方法等、機械化された大規模ダム建設の先駆けだったそうです。
加えて、このダムはデザインに意匠が凝らされている事でも有名です。
天端の高欄に凹凸が付けれられていて万里の長城をイメージさせるそうですが、立入禁止だった為遠くからでは見づらい…
個人的に最もときめいたのは、ダム横に残されているバッチャープラント(コンクリート製造設備)跡です。
まるでバットレスダムのような構造と、年月を重ねたコンクリートの風合いが素敵です。