DAM BLOG
歴史を踏まえないで見る下筌ダム
2013年6月6日
下筌ダムは、熊本県と大分県の県境にまたがるアーチ式ダムです。
下筌ダムと言えば蜂の巣城紛争です。
日本のダム史上最大の反対運動であり、公共事業の歴史において重大な転機となった出来事です。
あまりにも有名な紛争であるだけに、下筌ダムと言うとすぐ蜂の巣城紛争に直結して語られてしまいます。
ダムを知る上で歴史はとても大切です。
ですが、構造物としての下筌ダムの魅力にあまり目が向けられないのが残念です。
格好良いんです、下筌ダム。
アーチダムなんですが、堤体がオーバーハングするドーム型ではなくほぼ垂直に立っています。
アーチダムの持つ三次元的な曲線の美しさというよりも、安定感や静けさを感じさせるデザインだと思います。
あまりアーチの軽快感が無いのですが、実際かなり肉厚な堤体のようです。
クレストもコンジットも真っ青なゲートです。
白いコンクリートに青いゲートがよく映えます。
コンジットのローラーゲートは堤体の中央にあるのですが、放流の向きが正面ではなく斜めに水を吐き出すようになっています。
川の湾曲部に建てられたようで、ダム直下から河川が大きく蛇行しています。
はるか下流の河川敷に車が見えます。
堤体正面を見れるポイントがあると聞いていたのですが、道がよくわからず諦めていました。
ああ、あそこに行きたい!
下筌ダムの下流は、松原ダムのダム湖です。
減水期なので、副ダムが顔を出しています。
ダム湖側を見てみます。
ものすごく水位が低いです。
ダム湖の名前は「蜂の巣湖」と言います。
ダムにとってはあまり蒸し返したくない呼び名でしょうが、受け止めて前へ進む意志が男らしいです。
左岸には取水口とボートを下ろすインクラインがあります。
水位が低いので下部までながーく丸出しです。
下筌ダムに来るのは3回目ですが、まだ堤体正面を見たことがありません。
次回こそ必ず・・・!