DAM BLOG
まだあった!河道外貯留ダム
2014年7月7日
長谷ダムの記事でも触れましたが、福岡県には河道外貯留ダムという形式のダムがあります。
ダムは通常、河川をせき止めて水を貯めるものですが、例外的に河川流域外にダムを建設して、別の地点から取水して貯める方法があります。
揚水発電の上部調整池がこの方式に当てはまります。
※厳木ダムの上部調整池である天山ダム
発電用の揚水式ダムは全国各地にありますが、長谷ダムは水道用の揚水式ダムです。
全国的にも珍しく、水道用の河道外貯留ダムは、日本では長谷ダムしかないのではと思っていました。
が、とても近くにありました河道外貯留ダム。
福岡県糟屋郡久山町にある久原ダムです。
なぜ河道外貯留という方式をとっているダムが極端に少ないかというと、取水と貯留が別なので平等な水利調整が困難だとか豊水水利権の絡みだとか、色々難しいようですが、下流域で取水して河道外に貯水というのは、素人ながらに水利権のルールからはみ出しているような気はします。
ちなみに揚水発電は上と下で水をぐるぐるまわすだけで河川の水はは減らさないからOKなんだそうです。
この珍しい貯水形式のダムが、福岡市近郊に2つもあるのは、以前にも書いたように福岡市の切迫した水事情に理由があります。
社会的要請により水利使用の緊急性が高い場合の例外的な措置であると言えます。
豊水の利用は継続的で安定的な水利使用の点から疑問視されていますが、福岡2ダムの運用実績を見れば、とても合理的で効果的な方法に思えます。
本流をせき止めないので、自然環境にも影響が少なく、良い所だらけな気がするのですが、水利権のような大きなルールを変えるのは色々な課題があって難しいんだろうなあと想像します。
と、建設の背景を勉強したところでダム見学です。
セオリー通り天端から攻めます。
ウム、どうやら直下に行ける道があるようだ。
ダム見学は下流から堤体を見上げるのがクライマックスなので、つい直下へ行く道から探しがちですが、天端に登って下流を見下ろして道を探す方が遥かに効率的であることを最近知りました。
車でぐるりと迂回して、途中から道が細くなったので歩きます。
あんまり運転が得意ではないので、行き止まって何百メートルもギリギリの道幅をバックするような状況はなるべく避けたいです。
ダムの下流には2つの小さい堰があって、ダムからの放流をさらに貯水していました。
こんな道を歩きます。
左側は貯水池へ真っ逆さまです。
堤体が見えてきました!
左に見えるのは浄水設備みたいです。
柵がありますが、ここまでよれれば大満足です。
福岡には直下に行けないダムが多い気がします。
やっぱり直下正面からダムを見上げることができると達成感が違います!