DAM BLOG
天端から天草の海が見える上津浦ダム
2013年5月11日
上津浦ダムは2004年に完成した新しいダムです。
熊本県の天草地方は大小の島々の集まりです。
大きな川は無く、短く急勾配な河川ばかりなので、大雨の時には鉄砲水、日照りが続くと渇水を引き起こし、島の人々を悩ませてきました。
昭和41年、離島であった天草に天草五橋が完成し、車での往来が可能になると観光や産業が目覚ましく発展しました。
それに合わせて、天草の問題であった利水・治水事業も昭和40年以降活発に行われました。
天草地方には12基のダムが建設されています。
上津浦ダムはその一番新しい末っ子です。
直線的で飾り気の無いデザインですが、安定感のあるとても美しいダムだと思います。
中央の洪水吐からは、さらさらと吐水しています。
周辺には「どんぐりの森」「ホタル広場」等、公園が整備されていますが、あまり人が訪れている気配はないようです。
ダムの規模のわりにはダム湖は小さく見えます。
流入量の確保の為、隣の川の取水堰から導水しているようです。
上津浦ダムはダム天端から島原湾が望めます。
海が見えるダムは全国的にもめずらしいそうです。
自然越流の坊主ダムに見えますが、最近のダムらしく選択取水設備を備えているそうです。
天草にとってダムは命の水がめです。
華々しく脚光を浴びる事はないですが、山奥でひっそり人々の生活を支え続けています。