河童とミステリーサークル | 九州のダム情報 ダムラボ

九州のダム情報 | DMLAB (ダムラボ)

DAM BLOG

河童とミステリーサークル

2014年6月24日

2014-01-26-長谷ダム01

長谷ダムは、福岡市東区にある重力式コンクリートダムです。

このダム、変なんです。
Google マップで見てみると、とても違和感を感じます。

長谷ダムは、内陸の山深くではなく、どちらかというと海に近い場所にあります。
ダム湖に対してダム本体は南側にあります。
堤体がダム湖を挟んで海と反対側にあるのです。
川は基本的に内陸から海に向かって流れます。
これだけ下流域にあって、貯水池が大きいのに、この向きに水を溜めているのはあり得ない気がします。
さらによく見てみると、貯水池に流れこむ河川が見当たりません。

これどういうこと?と調べてみると・・・
福岡市水道局のサイトに答えがありました。
長谷ダムは河川をせき止めて水を溜めているのではなく、下流にある多々良取水場という所からポンプで水を引き上げているそうです。

多々良取水場はココ↑です。
長谷ダムは地図の右上にあります。

なぜ、下流で取水したものをわざわざ山のてっぺんまで揚水するような効率の悪いことをするのか。
その答えは福岡市の水資源環境にあるようです。

福岡市は、もともと水資源が豊富でない土地であり、戦後急激に増え続けた人口に対する水の供給は深刻な課題であり続けています。

福岡市の飲用水の大部分をまかなっているのはダムです。

多々良川水系には他に、久原ダム・猪野ダム・鳴淵ダム・須恵ダムの4つのダムがありますが、それだけでは足りず、このように特殊な方式で貯水する長谷ダムが建設されました。

曲渕ダムに始まった福岡市の上水道事業は拡張に次ぐ拡張を続け、現在ではダムだけではなく海水淡水化事業により海の水までも利用しています。

昭和53年のような大渇水を起こさない為に、水を貯められる適地は全て活用するという、血のにじむような努力がかいま見えます。

・・・と、事情がわかったところでダム見学です。

2014-01-26-長谷ダム02

堤高53.8mの堂々たる重力式コンクリートダムです。

駐車場に車を停め、先ず目につくのが管理棟脇のオブジェ。

2014-01-26-長谷ダム03

そして、

2014-01-26-長谷ダム04

河童です。

河童は送水口の蓋になっています。
ダム湖の水位がさがると、下流から揚水された水が河童の下から溢れ出てきます。
水圧で浮いた河童達はくるくる回るそうです。
・・・是非一度見てみたい!

2014-01-26-長谷ダム06

ダム湖です。
三日月湖(みかづきのうみ)と名付けられています。
ポンプの送水と雨水でこれだけの水が貯められるものなのかと驚きます。

2014-01-26-長谷ダム07

ダム脇から直下に下りる階段があります。

2014-01-26-長谷ダム08

階段を下りると目にはいるのが・・・

2014-01-26-長谷ダム09

巨大な円形のモニュメントです。

2014-01-26-長谷ダム05

ダムとセットで見ると、なんだか異世界感があって格好良い!

2014-01-26-長谷ダム10

個人的に木々の合間から見えるダムが好きです。
えっちらおっちら、また階段を登って帰ります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

PAGE TOP